1989年3月24日 9:00
鹿児島市内のユースホステルから都城市へ出発した。
距離にして70km。
調子が良ければ13時過ぎには到着できる。
しかし、
空模様は、あいにくの土砂降りだ。
準備していた、雨除けのビニールをバック、リュックサックに被せて、
わたしもレインウェアを着た。
鹿児島まで走ってきた国道3号線に別れを告げ、
この先は国道10号線で宮崎方面へ九州を北上する。
雨足は強いが、雨具のおかげでそれほど苦にならない。
むしろ、日常ではこんな悪天候で自転車に乗ることはないので、
楽しいとさえ思えてきた。
とは言っても、視界が悪い。
気を抜かず前をよく見て走行しなければ。
途中、錦江湾沿いで綺麗に見えるはずの桜島は海に近い裾野の部分以外は、
雨雲に覆われて見えない。
国分を過ぎると、海から離れて内陸へ。
火山灰の堆積によって作り出されたシラス台地をなだらかに上っていく。
まもなく鹿児島、宮崎県の県境。
雨は弱まらない。
峠を越え、14時、都城市に入った。
今日はこの町で泊まる。
予約していたビジネスホテルの玄関先で、レインウェアを脱ぎ、
少し早かったがフロントに向かうと、
光景を見ていたのか、従業員の方が
「大変でしたね。どうぞ。」
と嫌な顔もせずチェックインさせてくれた。
雨で冷えた体に、このお気遣いは嬉しかった。
「有難うございます。」
シャワーを浴び、
ベッドに何となく横たわると
ホッとしたのか、
そのまま3時間くらい寝てしまった。
また、今日はこの天候で走るのが精一杯。
写真を一枚も撮影できなかった。
これは翌日
青井岳付近で撮影したもの。
自転車のバックに
ビニールが
かかっている。
明日は宮崎市に入る。
また寝台特急に出会えるだろう。
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